2011/10/02 19:15:29
それから、私はウタも書くようになった。詩、歌詞。そう言えるものを。
時には小説を、時には詩を。
文字と言う媒体で、私は恋を伝えようと思った。
六月、七月、八月、九月、十月、十一月、十二月。
たくさんの人に支えられて、また恋をして。やっと上手くいくと思った。
けれど、それもまた叶うことがなくて、私はウタに身を委ねた。
数えきれないほどの人が恋い焦がれて、恋い慕って。
掴めたと思った瞬間にすり抜けていく大切な人たちを、何度取り戻そうとしたか。
残り続ける想いと、消えて行ってしまう想い人。
私の言葉は大切に思う人を繋ぎ止めることはできず、悲しみの淵に陥った。
一月、二月、三月……。
想う人は、あの人に戻った。
心のどこかで、やはりあの人しかいないと思ったから。
貴方が好きだと、目の前で、伝えたかった。
私は忘れない。
もう一度だけ告白させてもらった日のことを。
叶うはずのない恋。
分かっていても、貴方に伝えたかった。
数多の唄に歌われた恋する人たちのように。
例え実らぬ恋だと、定められていたのだとしても。
長い日々の終わり。
唄は、思わぬ形で私に幸せをもたらしてくれた。
あの日気付けなかったそれは、今、私の腕の中にある。
でもそれをここで語る必要はない。
終わりのない物語はない。
でもそれは同時に、始まったばかりの出来事を物語にできないことを意味する。
だから、私はこの幸せを物語に、ウタにしない。
この心を描いても、この出来事を描きはしない。
少し勝手な気もするけれど、それは私の信念だから。
今の私は、とても幸せだ。
それだけを、ここに記す。
時には小説を、時には詩を。
文字と言う媒体で、私は恋を伝えようと思った。
六月、七月、八月、九月、十月、十一月、十二月。
たくさんの人に支えられて、また恋をして。やっと上手くいくと思った。
けれど、それもまた叶うことがなくて、私はウタに身を委ねた。
数えきれないほどの人が恋い焦がれて、恋い慕って。
掴めたと思った瞬間にすり抜けていく大切な人たちを、何度取り戻そうとしたか。
残り続ける想いと、消えて行ってしまう想い人。
私の言葉は大切に思う人を繋ぎ止めることはできず、悲しみの淵に陥った。
一月、二月、三月……。
想う人は、あの人に戻った。
心のどこかで、やはりあの人しかいないと思ったから。
貴方が好きだと、目の前で、伝えたかった。
私は忘れない。
もう一度だけ告白させてもらった日のことを。
叶うはずのない恋。
分かっていても、貴方に伝えたかった。
数多の唄に歌われた恋する人たちのように。
例え実らぬ恋だと、定められていたのだとしても。
長い日々の終わり。
唄は、思わぬ形で私に幸せをもたらしてくれた。
あの日気付けなかったそれは、今、私の腕の中にある。
でもそれをここで語る必要はない。
終わりのない物語はない。
でもそれは同時に、始まったばかりの出来事を物語にできないことを意味する。
だから、私はこの幸せを物語に、ウタにしない。
この心を描いても、この出来事を描きはしない。
少し勝手な気もするけれど、それは私の信念だから。
今の私は、とても幸せだ。
それだけを、ここに記す。
2011/05/29 00:33:52
それは、今からちょうど一年前の話。五月のことだった。
私が出会った次の曲は、別れの歌。
主人公の女の子は、走って彼から離れた遠い所に来てしまう。
そして後ろを振り向くけれど、帰り道はもう分からなくなっていた。
彼女は、旅立つ彼を、涙ながらに見送った。
でも、彼女には、べつの選択肢もあった。
なぜなら、彼に道を開いてあげたのは、彼女だったから。
彼女は、ずっと一緒にいるという選択肢も、選べた。
でも、でも……。
私は、その部分に、泣かずにはいられなかった。
何度その時に戻っても、彼女は、彼のために行かせてあげるだろうと、分かっていた。
愛する人の願いを、叶えてあげた。
こんなにも悲しい愛があるんだって、私は思った。
すごく胸が締め付けられて、そして、悲しくなった。
心の奥底に溜まっていた悲しみが、ほろりほろりと、こぼれ出てきた。
とめどなく出てくるそれを、私は、その時初めて、目にした。
寂しそうな、そんな色をしていた。
いつかまた幸せになれるって、そう信じていた。
でもその時はぜんぜん訪れなくて、むしろ、どんどん遠ざかっていくような気さえした。
そんな私を、ウタは、支えてくれたんだ。
私の出会った、三つ目のウタ。
それは、寂しいはずなのに、とても、幸せなウタだった。
私が出会った次の曲は、別れの歌。
主人公の女の子は、走って彼から離れた遠い所に来てしまう。
そして後ろを振り向くけれど、帰り道はもう分からなくなっていた。
彼女は、旅立つ彼を、涙ながらに見送った。
でも、彼女には、べつの選択肢もあった。
なぜなら、彼に道を開いてあげたのは、彼女だったから。
彼女は、ずっと一緒にいるという選択肢も、選べた。
でも、でも……。
私は、その部分に、泣かずにはいられなかった。
何度その時に戻っても、彼女は、彼のために行かせてあげるだろうと、分かっていた。
愛する人の願いを、叶えてあげた。
こんなにも悲しい愛があるんだって、私は思った。
すごく胸が締め付けられて、そして、悲しくなった。
心の奥底に溜まっていた悲しみが、ほろりほろりと、こぼれ出てきた。
とめどなく出てくるそれを、私は、その時初めて、目にした。
寂しそうな、そんな色をしていた。
いつかまた幸せになれるって、そう信じていた。
でもその時はぜんぜん訪れなくて、むしろ、どんどん遠ざかっていくような気さえした。
そんな私を、ウタは、支えてくれたんだ。
私の出会った、三つ目のウタ。
それは、寂しいはずなのに、とても、幸せなウタだった。
2011/01/21 21:48:57
私を変えたその曲は、先輩に恋した女の子の話。
まだ恋をしていることにすら気付いていない彼女は、泣いていた。
自分のことを輝いているものと比較して、卑下して、落ち込んでいた。
でも、自分の想いを受け入れて、頑張ろうって決めて。
そして……
誰かを好きになることがどれだけ素晴らしくて、どれだけ楽しいことなのかを思い出した。
忘れてたから。
もう二度と好きにならないって思ってた自分が馬鹿らしく思えた。
伝えたい。
たとえ恋をすることが無くなっても、私がしたような甘くて切ない恋の物語を、どこかの誰かに届けたい。
恋をするって、こんなにも素敵なことなんだよって。
私は誰かを照らせるような大きな存在にはなれないし、誰かを包み込んであげられるような大人にもなれない。
でも、出来ることがあるから。
私が本当に物書きになろうって決めてから少しがたった頃――
夕闇 舞は、恋愛小説家の見習いとして、第一歩を歩み始めた。
私を支えてくれたウタ。
でも、私はそんなに簡単に回復したワケじゃなかった。
(続く)
まだ恋をしていることにすら気付いていない彼女は、泣いていた。
自分のことを輝いているものと比較して、卑下して、落ち込んでいた。
でも、自分の想いを受け入れて、頑張ろうって決めて。
そして……
誰かを好きになることがどれだけ素晴らしくて、どれだけ楽しいことなのかを思い出した。
忘れてたから。
もう二度と好きにならないって思ってた自分が馬鹿らしく思えた。
伝えたい。
たとえ恋をすることが無くなっても、私がしたような甘くて切ない恋の物語を、どこかの誰かに届けたい。
恋をするって、こんなにも素敵なことなんだよって。
私は誰かを照らせるような大きな存在にはなれないし、誰かを包み込んであげられるような大人にもなれない。
でも、出来ることがあるから。
私が本当に物書きになろうって決めてから少しがたった頃――
夕闇 舞は、恋愛小説家の見習いとして、第一歩を歩み始めた。
私を支えてくれたウタ。
でも、私はそんなに簡単に回復したワケじゃなかった。
(続く)
2010/12/31 13:23:11
なぜか気に入ってもらえているこのシリーズ。
私の過去をちょっと脚色しただけなんですけど。
大筋はいじっていないので、回想日記みたいなものになるんでしょうか。
今回タイトルにつけたFWは携帯でよく見られる転送時の記号です。
さて、今から話そうと思うのは、「私とウタ」で二回目の恋に敗れた後のことです。
私の本質にも関わってくるのではと思います。
また負けてしまった弱い私。
もう歌を作ることなんてできなかった。
優しい感情は凍りついてしまい、後に残ったのはあの人を憎むような悪い気持ち。
世に言う「ヤンデレ」になった気分だった。
今も同じ高校にいるけど、それ以降一言も会話をしていない。
大きな愛の裏返しは、心を突き刺すような痛みだった。
諦めたと思っていた私は、心の底で何一つ変わっていなかった。
もう誰も好きになんてならない。
そう誓っても、守れるはずない。
だって、大好きだから。
手を伸ばしたら届きそうのに、そこには見えない柵があった。
私は壊れた。
ガラスが割れるように、大きく音を立てて心が割れるのを感じた。
それまで明るかった私は、暗くて、黒くて、醜い生き物になってしまった。
誰とも話したくなくて、一緒にいたくなくて……
悲しさで、心が埋め尽くされた。
バスの中で、電車の中で、人目を盗んで泣いた。
そんなある日、私はある恋歌に出会った。
それが、私を大きく変えた運命の曲。
(続く)
私の過去をちょっと脚色しただけなんですけど。
大筋はいじっていないので、回想日記みたいなものになるんでしょうか。
今回タイトルにつけたFWは携帯でよく見られる転送時の記号です。
さて、今から話そうと思うのは、「私とウタ」で二回目の恋に敗れた後のことです。
私の本質にも関わってくるのではと思います。
また負けてしまった弱い私。
もう歌を作ることなんてできなかった。
優しい感情は凍りついてしまい、後に残ったのはあの人を憎むような悪い気持ち。
世に言う「ヤンデレ」になった気分だった。
今も同じ高校にいるけど、それ以降一言も会話をしていない。
大きな愛の裏返しは、心を突き刺すような痛みだった。
諦めたと思っていた私は、心の底で何一つ変わっていなかった。
もう誰も好きになんてならない。
そう誓っても、守れるはずない。
だって、大好きだから。
手を伸ばしたら届きそうのに、そこには見えない柵があった。
私は壊れた。
ガラスが割れるように、大きく音を立てて心が割れるのを感じた。
それまで明るかった私は、暗くて、黒くて、醜い生き物になってしまった。
誰とも話したくなくて、一緒にいたくなくて……
悲しさで、心が埋め尽くされた。
バスの中で、電車の中で、人目を盗んで泣いた。
そんなある日、私はある恋歌に出会った。
それが、私を大きく変えた運命の曲。
(続く)