2010/10/28 23:18:49
ハロウィンと言えば仮装した人たちがお菓子をもらいに町を練り歩く、なんてイメージが強い気がする。
当然僕もそんな風に考えていて、でもそういうのって大体小学生までで止めるよね、とも思った。
だから、
「ばぁ、お菓子くれないと悪戯しちゃうぞぉ」
魔女の格好した中学生の友人が来るとか、全く予想してなかった。
「で、それは……」
「まひょへふ(魔女です)」
「せめてお菓子飲み込んでからしゃべってね」
「だってここのお菓子おいしいんだもん」
それはそうだろう。何と言ってもウチはそういう店なんだから。
「タダで食べられるとか、感謝してよ?」
「これ特においしい~♪」
聞いてない。
「ただ単にお菓子食べたかっただけじゃないの?」
「うぅ、痛いとこつかれたぁ」
図星だとしても、多少はあがいてほしかった。
「あ、あったよ。ちゃんと目的持って来たんだから」
「お菓子食べる以外に?」
「うん。さぁ、私を見て」
立ち上がってクルリと一回転。ローブのすそがひらりと舞う。
「……………………難しいな」
「もう、ほらほら、見てよっ」
今度は色んなポーズを取って見せつけてくる。
「あぁ、そっか。その服買いたてなんだね」
可愛げな魔女さんはぷぅと頬をふくらませると、そっぽを向いてしまった。
そろそろ言ってあげないと。すねちゃったら困るし。
「似合ってるよ。魔女の格好」
いきなりこっちの方を向いてきたので、思わずびっくりしてしまった。
「そ、そう?? 変じゃない??」
少しだけ顔が赤くなっている。やっぱりか。
「最近は、あんまり会えてなかったから……会えても制服ばっかりだし。たまには、私服も見せた……」
それ以降はだんだん声がかすれていったせいで聞き取れなかった。
魔女の衣服が私服っていうのもなんだか変な気がしたけど、そんな些細な事よりも大事な言葉を、僕はゆっくりと発した。
「また、見たかったりするな。魔女以外も」
目の前の女の子は急に慌てだして、目をぐるぐる回していた。
そんなほんの少しの時間。
今でも、僕は覚えている。
「もうすぐ、ハロウィンだね」
今年も君は、来るだろうか。
「今年は久々に魔女の格好でもしよっかな」
なんて考えたけど、もうその心配は無い。
いつだって君は傍にいるんだから。
「何にやにやしてるの?」
「教えてあげない♪」
ちなみに、あの翌年僕が同じようなことをすると、物凄い勢いでドアを閉められたことも、僕は覚えていたりする。
久々に文芸的活動しました~。
いい具合にネタがあって良かったです。
こんな感じでエンジンがかかると、一気に書けちゃいます。
よぉし、明日から頑張るよ~!!!
たまには読んだ感想下さいっ☆
コメントは別にNO NAMEでも構わないです><b
当然僕もそんな風に考えていて、でもそういうのって大体小学生までで止めるよね、とも思った。
だから、
「ばぁ、お菓子くれないと悪戯しちゃうぞぉ」
魔女の格好した中学生の友人が来るとか、全く予想してなかった。
「で、それは……」
「まひょへふ(魔女です)」
「せめてお菓子飲み込んでからしゃべってね」
「だってここのお菓子おいしいんだもん」
それはそうだろう。何と言ってもウチはそういう店なんだから。
「タダで食べられるとか、感謝してよ?」
「これ特においしい~♪」
聞いてない。
「ただ単にお菓子食べたかっただけじゃないの?」
「うぅ、痛いとこつかれたぁ」
図星だとしても、多少はあがいてほしかった。
「あ、あったよ。ちゃんと目的持って来たんだから」
「お菓子食べる以外に?」
「うん。さぁ、私を見て」
立ち上がってクルリと一回転。ローブのすそがひらりと舞う。
「……………………難しいな」
「もう、ほらほら、見てよっ」
今度は色んなポーズを取って見せつけてくる。
「あぁ、そっか。その服買いたてなんだね」
可愛げな魔女さんはぷぅと頬をふくらませると、そっぽを向いてしまった。
そろそろ言ってあげないと。すねちゃったら困るし。
「似合ってるよ。魔女の格好」
いきなりこっちの方を向いてきたので、思わずびっくりしてしまった。
「そ、そう?? 変じゃない??」
少しだけ顔が赤くなっている。やっぱりか。
「最近は、あんまり会えてなかったから……会えても制服ばっかりだし。たまには、私服も見せた……」
それ以降はだんだん声がかすれていったせいで聞き取れなかった。
魔女の衣服が私服っていうのもなんだか変な気がしたけど、そんな些細な事よりも大事な言葉を、僕はゆっくりと発した。
「また、見たかったりするな。魔女以外も」
目の前の女の子は急に慌てだして、目をぐるぐる回していた。
そんなほんの少しの時間。
今でも、僕は覚えている。
「もうすぐ、ハロウィンだね」
今年も君は、来るだろうか。
「今年は久々に魔女の格好でもしよっかな」
なんて考えたけど、もうその心配は無い。
いつだって君は傍にいるんだから。
「何にやにやしてるの?」
「教えてあげない♪」
ちなみに、あの翌年僕が同じようなことをすると、物凄い勢いでドアを閉められたことも、僕は覚えていたりする。
久々に文芸的活動しました~。
いい具合にネタがあって良かったです。
こんな感じでエンジンがかかると、一気に書けちゃいます。
よぉし、明日から頑張るよ~!!!
たまには読んだ感想下さいっ☆
コメントは別にNO NAMEでも構わないです><b
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